基本的な気道確保手技
必要に応じて、気道を開通できる3つの基本手技があります。これらの手技では、舌を前方に挙上することで舌根沈下による閉塞を改善します。 これらの手技は、頭部後屈あご先挙上、そして下顎挙上です。
頭部後屈とあご先挙上
頭部後屈あご先挙上は通常同時に行われ、一連の動作と考慮されています。この手技を行うには、医療提供者は片方の手掌をプレーヤーの前頭部に横から置き、もう一方の手の指先をプレーヤーのあごの下にかけます。それから頭部を後屈させながら、あご先を前方に挙上します。
頭部後屈あご先挙上(脊椎外傷の疑いがない場合)
頚椎損傷では、この手技により損傷が悪化するかもしれません。そこで、頚椎損傷の疑いがあるプレーヤーについては(「脊椎損傷」の章を参照)、頭部後屈あご先挙上ではなく、下顎挙上を代わりに用いるべきです。
下顎挙上
下顎挙上は首の位置を変えないので、頚椎損傷の疑いがあるプレーヤーに用いることができます。プレーヤーの下顎角の下に手指を両側から沿えて、前方に挙上します。これで下顎と口腔底の軟部組織、舌を含めすべてが前方に挙上されます。 習慣的には、「頭側」から母指球をプレーヤーの頬骨に当てながら下顎角を前方に挙上します。もし顔面損傷があれば、この手技を行うべきではありません。しかし、もし頭側から用手正中固定(MILS)されているなら、後述のように下顎挙上を「下方アプローチ」で行うことができます。
下方アプローチによる下顎挙上とMILS(用手正中固定)
吸引
携帯式の吸引デバイスをピッチサイドですぐに使えるようにします。口腔咽頭の異物は、誤嚥防止のため、ただちに取り除きます。吸引は直視下でのみ実施して、口腔咽頭の外傷と迷走神経刺激を防ぎます。使い方のコツは、吸引している間ペンライトを歯の間に挟んでおきます。 こうすると吸引を行うために口腔内が明るくなりますが、処置中にプレーヤーが開口障害を起こしても、柔らかい吸引チューブを歯で咬まれることなく取り出すことができます。
直視下での吸引