寒冷損傷
寒冷損傷は、極寒の環境で末梢組織がダメージを受ける外傷です。軽度の凍傷も寒冷損傷の一つです。皮膚が白くなり感覚がなくなります。加温により完全に回復します。次の段階が凍傷です。凍傷では、患部は白くなって凍り、加温すると青っぽく、または、紫に変色します。その後黒くなり、皮膚が厚くなることがあります。最終的には、患部の皮膚が剥がれてきます。ほとんどの場合、新しい組織がその下から成長します。
寒冷損傷の治療
傷病者は極寒環境から動かして加温を開始します。加温は、持続可能な状態になるまで、また傷病者が極寒環境に再度露出されないようになるまで開始しません。軽度の症状では、受動的な加温が適切ですが、重度の症状では、循環する温かいお湯を使用して積極的な加温を行います。加温には激痛を伴うため、鎮痛処置が必要となることがあります。 非ステロイド系の消炎剤を使用して、プロスタグランジンの活性を抑制します。
溺水
スポーツの救急処置の「溺水」とは、傷病者が浸漬や水没損傷を負うことを意味します。 この応急処置では救助者の安全が第一であり、救助者が自身の身を危険に晒さないことが大切です。 正確な病態生理はさまざまですが、低体温症、低酸素症、誤嚥を考慮します。 水から引き揚げた際は、傷病者を水平に寝かします。水の中では、傷病者は静水圧に晒されています。傷病者を直立方向にし、静水圧から急激に解除すると、血圧が急激に低下してしまうかまもしれません。
溺水の治療
傷病者はをただちに救助し、仰臥位にします。 ABCDEアプローチで評価し必要な処置を行います。低酸素状態をできるだけ短時間に抑制することが最優先事項になります。このため気道確保と酸素投与をただちに行います。傷病者が十分な換気を行える場合は、高流量酸素を非再呼吸式酸素マスクで投与します。溺水では嘔吐が重大な問題となるため、医療従事者は対応準備を整えて、誤嚥のリスクを最小限に抑えなくてはなりません。可能であれば、傷病者の手当は回復体位で行います。 心停止が起きている場合は、低体温症のリスクを認識して、低体温症の蘇生手順に従って適切な蘇生処置を行います。