けいれん
けいれんは、脳の異常な電気活動によって突発的に起こる筋肉群の不随意な収縮 です。けいれんは一般的な症状であり、人口全体のおよそ3%が、人生で2回以上のけいれんを経験します。厳密に言えば、てんかんは再発性を持つ自発的で断続的なけいれんであり、傷病者が1回けいれんを発症しただけで「てんかん症」と決めつけてはいけません。
けいれんの原因:
- 頭部損傷(受傷直後、または、時間経過後)
- 脳内出血
- 低血糖症
- 髄膜炎、または脳炎
- 代謝障害(低ナトリウム血症など)
- 脳腫瘍
- てんかん
症状、および徴候:
- 発症数分前に、視覚的、聴覚的、または、臭覚的な発散物があることがある
- 全体的、または、局所的な強直性活動
- +/- 間代性活動 尿失禁 +/- 便失禁
- 咬舌
- けいれんが治まると傷病者は眠気を感じ、低いGCS評価点を示す。この状態は数分から数時間続くが、時間が経つにつれ改善
けいれんの管理:
特に以下に注目して、安全アプローチの A B(& O2)C D Eを実施します。
気道 - 気道閉塞は頻繁に発生します。頭部後屈(head tilt)やあご先挙上(chin lift)または、下顎挙上(jaw thrust)で気道を確保します。てんかん発作を起こしている傷病者は、たまに開口障害を起こすことがあります。その場合は、鼻咽頭から気道を確保します。非再呼吸式酸素マスクで毎分15Lを忘れずに投与します。
脊椎の管理 - けいれん中は脊椎の管理が大変難しくなります。けいれん中の傷病者は、抑えたり身体を拘束しないようにします。
呼吸 -けいれん中の傷病者は低換気症を発症する場合がありますが、強直性、および、間代性けいれんでは換気の補助処置を行うのは難しくなります。最優先事項は、傷病者の気道確保と非再呼吸式酸素マスクで気道の確保と高流量酸素を投与することです。
循環 - けいれん自体が血行動態に深刻な問題をもたらすことはありませんが、けいれんを発症した傷病者には、多くの場合、けいれん発作中と発作後に頻脈が見られることがよくあります。経静脈路がただちに確保できない場合は、歯肉と頬の間(バッカル投与)にミダゾラムを投与するか、ジアゼパムの腸内投与などを検討します。
決定的治療:
ほとんどの場合、けいれんは数分で自然に治まります。この間に気道が開存していること、傷病者に酸素が供給されていることを確認し、末梢血糖値(CBG)を確認します。血糖値が低ければ、先の章の説明に従ってこれを回復させます。けいれんが自然に治まらない場合、薬物療法が必要となる場合があります。ベンゾジアゼピン系薬剤の潜在的な合併症について注意することが重要です。特に、呼吸抑制や呼吸停止に対応できる準備を整えておくことが重要です。
- ジアゼパム10mgの腸内投与、または静注投与
- ミダゾラムのバッカル投与
- ダゾラムの静注投与(ロラゼパムは通常病院環境で選択されます。冷蔵が必要なため、ピッチサイドケアでの投与には向いていません)
- 末梢血糖値(CBG)を確認し、必要に応じて低血糖症の処置を施します。
できるだけ早急に救急医療部門へ搬送します。