医薬品の管理

背景:

医薬品の取り扱いは、例えば英国の保健省の「National Minimum Standards Regulations for Independent Health Care(独立医療機関向け全国最低基準、および、規定)」によって規定が定められており、ケアの質委員会により管理されています。基準22では、1968年薬事法、1971年薬物乱用法、薬物乱用規則に従い医薬品を取り扱うこととしています。ですから、少なくとも最低基準を満たすよう心がけることが必須となります。以下に掲げるのは、これらの最低基準および英国薬事法に準拠するために医療従事者が採用しなければならない一連の方針ですが、もっと重要なことは、ヘルスケアサービスを安全かつ効果的な方法でプレーヤーに提供することです。すべての国においてその国のガイドラインを採用し、同様のプロセスに従わなければなりません。

医薬品発注方針:

  • 医薬品は書面で発注し、発注書には適切な処方箋を発行した医療従事者の署名が必要です。
  • 書面での発注は、医薬品を提供する薬剤師へ送付します。
  • 規制薬物(CD)の販売と保管については特別な規定が設けられており、地域のプライマリ・ケア・トラスト(PCT)からFP10CDFフォームを入手し、認可を受けた処方箋発行者が署名したフォームでのみ発注することができ、規制薬物を管轄している自治体の当局でのみ入手可能なFP10 CDFフォームでの発注は英国のみで有効となります。薬剤師は署名入りの発注書原本が手元になければCD薬剤を販売することはできません。
  • すべての医薬品発注書の複写はクラブの記録として保管しておかなければなりません。
  • 医薬品の発注は登録薬局に送付するか、または、卸売販売許可を得ているサプライヤー(「責任者」が薬剤師であることが好ましい)に送付します。

受け取り方針

  • 受け取った医薬品はすべて、サプライヤーの納品書を発注書の原本に照合して内容が一致していることを確認の上、医薬品追跡フォームに入力します(付録 3を参照)。
  • 規制薬物はの受け取りは、必ずCD登録に記録します。 「先入れ先出し方式」で、新しい在庫を保管し古い在庫を先に使用します。

保管方針

  • 英国においては、英国規格 BS 2881:1989 に基づき、医薬品は施錠可能なキャビネットで保管することが義務付けられています。 (あなたの国の規格をご確認ください)。
  • 規制薬物は、「規制薬物専用キャビネット」に保管します。
  • 英国においては、規制薬物は、然るべき担当省庁、または政府が発行したライセンスを保持する敷地外で保管することはできません。
  • 規制薬物専用キャビネットにアクセスする鍵は、セキュリティーシステムの一環として指名された個人のみにアクセスを限定します。
  • 冷蔵保管が必要な医薬品は、食料その他の非医薬品目用の冷蔵庫と区別した専用の薬局冷蔵庫で保存します。薬局の冷蔵庫は、最高/最低温度の調整ができるもので、毎日温度を測定して記録します。
  • 救急薬品は、それが救急薬品であるとはっきりと分るように印をつけ、アクセスが簡単な場所に保管します。

投与方針

  • プレーヤーまたはその他のチームメンバーに医薬品を投与する際は、チームの担当医師/処方箋発行者の指示に従い、「Medicines Tracking Form(医薬品追跡用紙)」(または、毎週記録する薬剤支給フォームまたは大会/試合日薬剤支給フォーム)に投与した薬剤を記録し(付録 4を参照)、そしてMedicines Tracking Form(医薬品追跡フォームに毎週、転写します。主任処方箋医師/臨床医は、在庫から支給した医薬品に関する指示の文書による記録を残すために適切なフォームに記入し、署名しなければなりません。
  • 医薬品は必要に応じて「救急投与」として個人に投与するか、1回分よりも多い服用回数になる場合は、密封が可能なパケットまたは袋にプレーヤーの名前、薬剤名、服用指示を書き取ります。
  • 服用に当たって、薬剤の作用と潜在的な副作用についてプレーヤーに説明します。 また、医薬品はプレーヤーの服用のためだけに支給されており、その他の人に譲渡しないようにプレーヤーに伝えます。使用しなかった薬剤は、必ず破棄します(次の項目を参照)。これらを在庫に戻して再度出すことは禁止されています。

廃棄方針

  • 返品、不良品、使用期間が切れた医薬品などの薬物を廃棄する際は、薬剤廃棄業者または薬局と契約を締結しなければなりません。
  • 英国では、規制薬物は担当省庁が任命する人物によってのみ廃棄することができ、廃棄までの待期期間は規制薬物の専用キャビネットで保存します。この際は、患者に投与しないようにはっきりと区別できるように警戒標を表示します。

副作用の報告方針

  • 医薬品を服用後に有害な副作用が生じた場合は、医薬品の副作用報告フォームに詳細を記入します。
  • メディカルの主任または任命を受けた副主任にただちに報告し、適切な医療サポートを提供します。
  • メディカルの主任、また任命された副主任が、すべての事象について調査を行い、医薬品のサプライヤーを関与させます。

エラー報告

  • エラー報告では、「非難しない文化」を尊重した報告を奨励します。
  • 薬剤の処方と支給におけるエラーは報告フォームに記録しなければなりません。医師にただちに報告し、適切な救急医療サポートを提供します。
  • メディカルの主任または任命された副主任は調査を実施し、エラーの再発防止を目的とした対策を明確に報告します。

定期的な在庫確認と使用期限の確認

  • 毎月、医薬品の在庫確認を実施し、薬剤追跡フォーム上の在庫と照合します。
  • 傷病者へ出さないよう、毎月医薬品の在庫確認を行い、使用期限の切れた在庫薬品を特定します。
  • 使用期限の過ぎた在庫、または棄損して使用できない在庫薬品については廃棄方針を参照してください。

参考資料の提供

  • 最新の参考資料、すべての医薬品についての性質の概要についての情報を入手できるようにし、在庫の医薬品に関する情報が手に入るようにしておきます。

使用禁止物質

  • 医療従事者は、該当スポーツの管理団体が使用を禁止している物質について熟知しておかなくてはなりません。
  • 医療従事者は、緊急のやむを得ない場合を除いて、使用禁止物質をプレーヤーに投与することは禁止されています。
  • 使用禁止物質は、処方箋医薬品(POM)、処方箋不要な医薬品または製品(OTC)、栄養サプリメントなどに含まれている場合があります。
  • プレーヤーは、使用を禁止されている薬物または製品の服用は最終的に自身が責任を負うことになること、服用前に常に成分を確認すること、また不確かな場合は助言を求めることを認識していなければなりません。